パリと本屋さん




パリ在住日本人作家のパリュスあや子さんによる、パリの書店めぐりを中心としたエッセイ集の装丁および組版のブックデザインを手がけました。版元であるH.A.Bが発行する購入特典に「山口文子」名義で連載していた原稿に、書き下ろし小説が加わっています。 フランスならではの四季折々のイベントや、ストライキ、コンフィヌモン(ロックダウン)といった社会的な動きを経ながら少しずつ変わっていく生活を、本屋を中心に「移民」独自の視点で描かれています。単純な本屋紹介でなく、異国文化紹介にならない、その土地に暮らしていながらも常に「移民」であることの悲喜交々を感じさせてくれる読み物です。 ハードカバーだけれど手のひらに収まりやすい少し小ぶりな判型に合わせて、ボルドー色の表紙を薄めの芯ボールで誂えました。写真は著者であるパリュスあや子さんが撮影したもので、イントロダクションにもたくさん使用しています。 — Client: H.A.B Art Direction / Design: Keisuke Nakamura Photograph: Ayako Pallus