仮名書体“ふじ”




一冊の歌集のためだけに平仮名書体をデザインしました。 歌集では、既存の漢字書体と組み合わせて一首一首組んでいます。汎用的にバランスの整った本文書体というよりも、一首三十一文字の短い文字の中で歌と著者の声をできるだけ近づけるため、あえて筆跡に“ゆれ”を出すことで歌にリズムが生まれるようにしています。判読性や活字の特徴、書体の時代性などは脇に置き、あくまで著者の人生譚と歌を肉薄させるための活字書体として制作しました。 — Type Design: Keisuke Nakamura