レンマ学

Books 2019
レンマ学レンマ学レンマ学

大乗仏教の縁起の論理を土台とした新しい「学」を構築する試みについての書籍。人類学者であり思想家の中沢新一が文芸誌『群像』で連載していた、知的探求の山頂となる一冊のブックデザインを手がけました。 装丁のビジュアルは、講談社が発行している文芸誌『群像』のアートディレクションを担当している際に、連載の扉デザインを手がけたイメージが元になっています。哲学者の山内得立が提唱した概念に基づいた「レンマ」という言葉の語源である、事物をまるごと把握するという全体を一気に掴み取るように理解する直観的な感覚をカバーにしました。 表面とは逆に表紙については、本編の隅々にわたって展開される東洋知の結晶をミニマルに表現するため、あえて赤一色で統一しています。難しい言葉と内容の多い本文のため、組版は読みやすさと同時に文字種の多い書体を選定し、可能な限り作字や異書体混植が発生しないように考慮しています。 — Client: Kodansha Art Direction / Design: Keisuke Nakamura